家を建てるには、高額な費用がかかることはいわずもがなです。
やりたいことと自分たちの予算を照らし合わせて、時には家自体の広さを抑えたり希望する設備のグレードを落としたりしながら減額調整することも。
そんな時に気になるのが、「何にどのくらいの費用が掛かっているか」という点。
多くのメーカーでは見積明細を出し明らかにしていますが、どうやらその粒度はメーカーによってもまちまちな様子です。
そこで今回、様々なハウスメーカーで家を建てたオーナーさんたちから、実際に提示された見積書がどの程度の粒度だったのか?という情報を集めました。
今回の情報は、メーカーごとの粒度の違いの良し悪しを判断しようとするものではありません。
あくまでこれから家を建てようと検討している方にとって、検討材料の一つとして参考にしていただければと思います。
順不同でご紹介していきます!
積水ハウスの見積明細
積水ハウスは鉄骨住宅と木造住宅を提供する日本の住宅メーカーとしては販売戸数でトップの企業。
その業界最大手ともいえる積水ハウスの見積はどの程度の粒度なのか?
情報提供いただいたのは、2021年に新築したゆりさんです。
ゆりさんのお宅は、積水ハウスでも木造のシャーウッドシリーズから『グラヴィス・ベルサ』という商品。
積水ハウスの見積もりはまずおおまかな内訳がこのように提示されます。
工事費内訳として
・躯体工事
・外部工事
・内部工事
・設備工事
・付帯工事
・設計関連
と大きく分かれており、それぞれの内訳が一式として記載。
大まかにこの部分にいくらかかっているか?というのがわかるのが特徴です。
更にこの先には、上記の大まかな工事費の内訳が更に細かく記載されています。
積水ハウスの詳細内訳の特色として、ドアやサッシなどの完成された製品は設置個数で見積もられています。
また、ポーチテラスなどについては実際に施工する面積単位での見積もりとなります。
一方、下地工事などの数字で表現しにくい部分については一式表記となっているようです。
詳細は以下のゆりさんのブログを参考にしていただければと思います。
ダイワハウスの見積明細
高い天井高を売りにしたユニークなCMでおなじみのダイワハウス。
住宅メーカーの売り上げナンバーワン企業です。
ミサワホームの見積明細
大容量収納「蔵」が特徴的な木造住宅を手掛けるミサワホーム。
ミサワホームで新築したまめはうすさんから実際の見積を提供していただきました。
まめはうすさんのブログ(アメブロ)では画像ダウンロードができないため、詳細は直接以下のブログでご確認ください。
内容をざっくりと解説すると、ミサワホームも見積もりの明細は品目毎の内訳が出ていて、何にいくらというのが明確。
これまで紹介した他社と遜色ない粒度でした。
住友林業の見積明細
住友林業は林業というだけあり、木造住宅のパイオニアの一つとされる住宅メーカーです。
今回は2020年に家を建てた2名の住友林業施主さんから情報提供していただきました。
1人目は、じゃいくん。
まず、資金計画書という書式で見積もりが出されたとか。
その後、見積書として以下の書式が出る様です。
また、見積根拠となっている仕様書というのもきちんと提示されているようです。
見積根拠となる仕様内訳明細自体は提示されていますが、金額の詳細は不明です。
提案工事(住友林業ではオプション工事をこのように呼称)分は金額入りの明細がきちんと提示されたそうです。
積水ハウスの見積明細と比べると粒度は荒い印象です。
詳しくはじゃいくんのブログも読んでみてください。
そして2人目は、かなぴさん。
かなぴさんはより詳細な明細を貰えたそうです。
ただし、住友林業では見積明細は原則非公開とされているようで、レアケースだとか。
躯体工事
外部仕上げ工事
内部仕上げ工事
建具工事
備品・住設機器・収納工事
屋内給排水・給湯・衛生設備工事
屋内電気設備工事
の大項目に分かれた中に数量や単価が詳細に記載されています。
こちらの明細は他社と遜色ないといえそうです。
ですが、原則非公開とは…
詳しくは以下のブログを参照ください。
以前、「住友林業は見積明細が不明瞭だ」という記事が巷をにぎわせたことがあります。
当該記事と比較すると、実際には2人のオーナーさんは詳細な明細を貰っているといえそうです。
セキスイハイムの見積明細
セキスイハイムは積水ハウスと同じ積水化学工業が母体の会社。
積水ハウスが積水化学工業から完全に分離しているのと違い、セキスイハイムの方は積水化学工業の子会社となります。
パナソニックホームズの見積明細
パナソニックホームズは家電メーカーであるPanasonicを母体とする住宅会社です。
パナソニックホームズの明細情報は、当サイトを運営しているあんままが公開しています。
まずは見積内訳として躯体、外部、内部、設備と他の会社同様に大まかな内訳が記載されています。
躯体工事の内訳ですが、仮設工事、基礎工事、躯体工事で各一式として金額が計上されておりこれ以上細かいものは無いようです。
これはどの会社も同じような表記なので標準的といえるでしょうか。
これは外部建具の明細ですが、一つ一つの品名、数量、金額が計上されており、一か所いくらするのかが明確にわかるようになっています。
こちらは室内の内部工事費用です。
各部屋毎にコンセントの数からクロス、照明、巾木等の数が拾われて計上されています。
内部建具も同様にひとつずつ拾われており、建具一枚いくらするのかがわかるようになっています。
こちらは設備工事の内訳。
キッチンユニット等、設備ごとにいくらするのかがきちんと拾われています。
設備をダウングレードしたらいくら下がるのかが見やすくなっています。
パナソニックホームズの見積内訳も他社と同程度の粒度で提示されていました。
詳しくは以下の記事もご参照ください。
三井ホームの見積明細
三井ホームは洋風建築が得意な、日本での2×4系住宅のパイオニアとも呼ばれる住宅会社です。
三井ホームの明細を提供してくれたのは、元住友林業社員のTFamilyさんです。
肩書が謎ですが、三井ホームのオーナーさんです。
早速ですが、こちらが明細です。
三井ホームでもまずは資金計画書という全体でかかる費用の概要を作成してくれるようです。
ここではざっくりとした内訳とその金額が明示されています。
こちらが見積書の頭紙。
こちらにはざっくりとした内訳と合計金額が記載されています。
ここから詳細な内訳。
注目すべきは、基礎工事の部分にも具体的なサイズと大きさまで明記されているところ。
このパターンは初めてです。
外装工事の内訳については流石に一式として部材と費用が書かれている形。
内装工事は、クロスの面積やフローリングの面積まで落とし込まれています。
これはなかなか粒度の高い見積ではないでしょうか。
設備系については一つ一つ落とし込んで価格が表示されています。
以上が三井ホームの見積明細です。
ここまで紹介した他社との大きな違いは、施工面積が出せるものはそこまで見積もりに落とし込んでいる点。
詳しくは情報提供いただいたTFamilyさんの記事も読んでみてください。
トヨタホームの見積明細
トヨタホームはトヨタ自動車系列の住宅会社です。
ヘーベルハウスの見積明細
ヘーベルハウスは正式名称を旭化成ホームズという旭化成グループの住宅会社です。
ヘーベルハウスの見積明細はヘーベルハウスオーナーのズブロッカ大佐から提供いただきました。
ヘーベルハウスの場合も他社同様に、まずは大まかな内訳と金額が明示されています。
躯体工事や外部工事については、仮設工事、基礎工事、躯体工事などと分かれてそれぞの費用が一式として表記されています。
建具については他のメーカー同様にドアや窓サッシ一か所ずつ落とし込んで価格を表記しています。
内部工事についても各部屋毎に設備や建具、クロスなどを拾って内訳を記載しています。
ヘーベルハウスの場合、あらかじめ内装などに標準ラインナップがあり(Hセレクション等と分かれている)、その標準ラインナップはどういう構成なのかを一覧表にしています。
ここから外れるとオプションということになり、金額の増減が発生するのがわかるようになっています。
こちらも他社同様の粒度の見積明細が出されていました。
タマホームの見積明細
タマホームはローコストメーカーの代表格。
最近では断熱性能の強化などを積極的に行っているようです。
一条工務店の見積明細
一条工務店は、「家は、性能」をキャッチコピーに高気密高断熱住宅で人気を集めているメーカーです。
全館床暖房を取り入れたり、オリジナルの住宅設備を自社で製造してコストを抑えるなど特徴的な点も多くあります。
ヤマダホームズの見積明細
ヤマダ電機グループ傘下の住宅メーカー、ヤマダホームズ。
他社にはない高性能住宅+家具・家電のオールインワンパッケージなどを打ち出しています。
ヤマダホームズは過去に複数の会社と吸収合併しています。
今回は、合併前の「レオハウス」だった際の見積明細を公開しているChelseaさんのブログ記事をご紹介。
金額までばっちり記載されているため、こちらでの掲載は控えます。
ぜひ直接以下の記事をご覧ください。
スウェーデンハウスの見積明細
スウェーデンハウスは、北欧スウェーデンの家造りを参考に北海道の厳しい気候にも耐えるプレハブ住宅会社です。
2015年以降、「オリコン顧客満足度調査 ハウスメーカー 注文住宅 第1位」という結果が物語る、非常に人気のあるハウスメーカーです。
今回提供してくれたのは北海道で2020年にスウェーデンハウスを建てたオーナーさん、エゾムースさんです。
まずは見積もり頭紙として全体の概要としての内訳が記載されています。
ここでの内訳に対する明細が一つ一つ記載されるスタイルのようですね。
スウェーデンハウスは木造軸組みに2×4パネルの壁を据え付けるモノボックス構造がその特徴ですが、上記の通りの工事費用内訳で計上されているようです。
また、スウェーデンハウスの特徴の一つであるトリプルガラス木製サッシの窓についても価格が明記されていますね。
詳細はエゾムースさんの記事を是非参照してみてください。
オープンハウスアーキテクトの見積明細
特徴的なCMでもおなじみのオープンハウスは、首都圏を中心に勢力を増しているパワービルダー。
「首都圏で家を建てる」をコンセプトに駅近の土地を買い上げ、建売販売をすることで、購入価格を抑えつつも立地の良い場所に戸建てを持てるというコンセプトが受けて大躍進しています。
オープンハウスでは、建売部門とは別に注文住宅部門のオープンハウスアーキテクトという会社があり、比較的ローコストで注文住宅を建てることができます。
今回、masamizuさんがこのオープンハウスアーキテクトの注文住宅の見積情報を提供してくれたので早速紹介していきます。
オープンハウスアーキテクトの見積もりは非常に単純明快なものになっています。
坪単価として価格が明確化されており、それに対する延べ床面積で算出。
この基本坪単価はグレードによって上下するようですが、masamizuさんのご自宅はこんな価格だったようです。
ここにプラスして、各種工事費(ガスや水道引き込み等)やオプション費用が加算されていきます。
具体的な内容についてはこちらでは引用を避けます(明細レベルで金額書いてあるので)。
詳細を見たい人は是非、masamizuさんのブログを参照してみてください。
アイ工務店の見積明細
アイ工務店は大阪のハウスメーカーで、関西、中国、九州、関東、北関東が施工エリアとなっている最近着工数が伸びている中堅ハウスメーカーです。
今回このアイ工務店の見積もりを提供してくれたのは、オーナーのクロセさんです。
大体どこのメーカーも概要として大まかな金額の内訳を提示してくれます。
この辺は大体どこもそこまで粒度に差はないですね。
その後、請負契約書に明細が添付されていたそうです。
こちらには細かい品目、数量や単位、金額などが明記されています。
詳しくはクロセさんのブログをぜひご覧ください。
見積明細まだまだ募集中!
当サイトでは、まだまだ見積明細の情報を公開していただけるオーナーさんを募集中です!
下記に募集中のメーカーさんを一覧記載します。
- アキュラホーム
- ヤマト住建
- アエラホーム
- アルネットホーム
- 住友不動産
- 桧家住宅
- ウィザースホーム
- サンヨーホームズ
- 三菱地所ホーム
- クレバリーホーム
- アイフルホーム
- 富士住建
もちろん、これ以外のメーカーさんも大歓迎!
ぜひご連絡ください✨
お待ちしてます!
おわりに
ハウスメーカーの見積明細比較ということで、現時点で集まっているオーナーさんからの情報をまとめました!
各社差はあれど、しっかりと明細をつくり金額根拠を示してくれていました。
何にどのくらいの費用がかかっているかがわかると安心できますし、予算内での金額調整もしやすくなるはずです。
ぜひ、家づくりの参考にしてみてください。