トーヨーキッチン「iNO」とは
名古屋に本社を構える株式会社トーヨーキッチンスタイル(TOYO KICHEN STYLE Co.,Ltd)から販売されているシステムキッチンの中の、ハイエンドモデルにあたるiNO。
- デザイン
- 機能(ゼロ動線)
- 品質
- 環境
- テクノロジー
の5つを基本コンセプトにしているトーヨーキッチンスタイル。
iNOは、このコンセプトの中の
「ゼロ動線キッチン」を唯一実現できるシリーズ
です。
シンク、コンロ、食洗機間の動線を極限まで短く設計(ゼロトップ)。
横移動を減らすことで使いやすく、疲れにくくしたキッチン。
最大の特徴は、パラレロシンク。
洗う、切る、盛り付けをシンク内で完結させることで、シンク前から動くことなく調理が可能に。
iNOシリーズのみで搭載可能です。
その他にも、
ハンドメイドで一つ一つ製作されるステンレスのワークトップ
キッチン本体が浮遊したようなデザインのエアフロー
オリジナルレンジフードのUFO
など、メーカーの沢山のこだわりが詰まったキッチンです。
使用感を教えてくれたユーザーさんのご紹介
今回トーヨーキッチンの口コミを教えてくれたのは、2022年に注文住宅を建てiNOを採用されたYPさん。
基本情報
建築先 | ダイワハウス |
建物概要 | 延床面積:43.1坪/2階建て |
完成年月 | 2022年8月 |
家族構成 | ご夫婦+お子さん1人 |
ダイワリウム|アクアリウムと音楽を堪能できるダイワハウスの家ブログ
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キッチン仕様詳細
キッチンタイプ | iNO/アイランド |
扉カラー | メタルスモーク |
ワークトップ | ステンレス/ICE |
シンク | パラレロシンク |
水栓 | ゼロ動線水栓 トールボーイ |
食洗機 | ガゲナウ60㎝/Dl 260 400 |
加熱機器 | ガゲナウIH/Cl 261 114 |
レンジフード | LIXIL/よごれんフード |
その他オプション | エアフロー(12.5㎝) |
トーヨーキッチンを選んだ理由:パラレロシンクの魅力とは
選んだ理由は、何といっても
「シンクに一目ぼれしたから」。
そのシンクが、トーヨーキッチンの特徴の一つでもあるパラレロシンク。
正方形で、調理スペースとシンクが一体化しています。
たまたま、実例見学会で採用されている方の家に行き、トーヨーキッチンに出会いました。
それまで全く知らないキッチンメーカーでしたが、型破りなレイアウトのキッチンだったのですごく印象に残りました。
帰宅後、すぐにネットで検索。
本当に一目惚れだったと思います。
完全に虜になってしまいました。
当時住んでいたマンションのキッチンでは、
といった点が不満ポイントがあったそう。
一方、トーヨーキッチンのパラレロシンクを採用することで
と、これまでの不満ポイントの改善が見込めると感じたそうです。
「何よりも見た目が斬新すぎて、忘れられませんでした」とおっしゃっていて、デザイン性に魅力を感じたことがよくわかります。
トーヨーキッチン「iNO」の機能性は?
ワークトップ:ステンレス/ICE
ワークトップはICE(アイス)という凹凸加工にしました。
最初は一番安価なステンレストップにしていましたが、水垢が目立ちそうと思い、ICEにすることに。
汚れが目立たず本当に良いです。
以下の左の写真、水垢汚れがあるのがわかりますか?
右の写真で答え合わせ。
よく見るとわかりますが、確かに加工によって水垢がかなり目立ちにくくなっているようです。
「ステンレスは傷つきやすい」という方もいますが、どうですか?
熱に対する強さについてもわかればお願いします!
半年使う中で、特に傷は見られません。
熱に対する強さは、今のところ熱いものをそのまま置くことはないのですが…
シンクにお湯を流すときに、”ベコッ”と音がするのが気になると言えば気になりますね。
シンク&水栓:パラレロシンク/ゼロ動線水栓
トーヨーキッチンの大きな特徴、そしてこのキッチンの決め手にもなったパラレロシンクの使い勝手はどうですか?
正直にいうと最初は慣れずに混乱して、使いにくさを感じました…
それをTwitterでツイートしたら、「使い慣れると本当に使いやすいですよ」とトーヨーキッチンの公式アカウントから返事をもらいました!
今はシンク内で調理することに慣れました。
むしろ、豪快に汚せるので本当に楽です。
プレートとカッティングボードは上下逆にすることもでき、可変性が高く使い方の幅も広いです。
トーヨーキッチンのパラレロシンクはゼロ動線がキャッチコピーですが、コンロの前に立つ癖が残っていて、まだ厳密には1動線かもしれません。
それ以外は冷蔵庫や後ろのキッチン家電を使うときくらいしか歩いていないと思います。
ゼロ動線水栓のおかげで、鍋に水を張って持って行く動作も不要。
食器や食材の収納位置やキッチン家電の位置をもう少し工夫すれば、本当に動かずに調理が完結すると思います。
写真左:浄水用水栓
写真右:水道水用水栓
ということです!
どちら側にどの水栓を付けるかは、自由に選べるそうですよ!
右側の水道水の水栓は、上下片方ずつしか出せません。
上の部分は鍋用のゼロ動線水栓です。
左右同時に使うことはあるかといわれると…正直ないです。
こればっかりは、見た目が8割ですね。
調理は、
シンクの中で食材を洗う
⇩
シンクの中で切る
⇩
そのまま隣のIHで調理
(鍋に水を入れるのにも動かなくて済む)
⇩
使用済みの調理器具はそのまま食洗機に
という流れ。
これは確かに動線が短く、かなり便利そうです!
加熱機器
加熱機器は、ドイツのキッチンメーカー「ガゲナウ」のThe cooktops 200 series Cl 261 114。
- 黒のスタイリッシュなガラストップ
- 4つ口IH(全てタイマーあり)
- グリルレス
- 火力調節17段階(0-9まで、0.5刻み)
- 急速余熱機能
(最初の1分間は最大レベルで加熱。その後設定温度に戻る) - 国内メーカーにあるような「湯沸かし」や「炊飯」などの調理メニューはない
こちらを選んだ理由は、
ガゲナウといえば、フリーゾーンがあったり自由に熱を出すゾーンを変えられるシリーズがありますが、うちはとりあえずIHならなんでもよかったので一番安価なタイプを採用しています。
ヨーロッパの厳しい電磁波の基準をクリアしているということで、安心感がありました。
とのこと。
実際に使ってみて、いかがですか?
仕様確定直前でガスからIHに変えました。
まずはガゲナウに限らず、IHになったことでお手入れが本当に楽です。
急速余熱機能で、フライパンがすぐに温まるのが良いですね。
ずっとガスを使っていたので、正直火力の扱いになかなか慣れない、というのはあります。
火力は17段階調節可能ですが、実際に使ってみると単純に等間隔の火力じゃないような気がします…
あくまで感覚ですが、「中火=真ん中」という感じではないです。
操作の様子はこちら!
食洗機
食洗機も、IHと同じくガゲナウ製。
60㎝幅のDl 260 400です。
- 海外製食洗機で主流のフロントオープン
- 上下段のバスケットとカトラリートレイの3段仕様
- フロントパネル:ステンレス
- 洗浄容量は大容量の14人分
- 温度設定できるオート機能やエコ運転、高速運転など6種類のプログラムがある
- 最短56分で洗い上げるブースターオプションあり
- ゼオライトテクノロジー(ゼオライトという鉱物が湿気を吸収しつつ発熱。温風を出すとともに水の温度を上げる補助を行い、運転コストと時間を節約できる乾燥方式)を採用
ガゲナウとよく比較されるのは、同じ海外製食洗機のミーレだと思います。
実際に比較して感じた違いは
✅種類:ミーレは同じサイズで数種類あるのに対し、ガゲナウは1サイズに1種のみでわかりやすい
✅食洗機のかご:ガゲナウは比較的武骨、ミーレはより細やかにつくられている印象
✅乾燥機能:ミーレはオートオープン機能(食器洗い終了後に自動で扉が開き中の食器を乾燥させる)、ガゲナウはゼオライトテクノロジー
といった点でしょうか。
口コミは圧倒的にミーレが多いので心配でしたが、当時納期未定であること、トーヨーキッチンの担当者の説明を聞いてガゲナウを選択しました。
実際に使ってみて、洗浄力が強いので余洗いしなくても汚れが落ちてピカピカになり満足しています!
国内メーカーのスライドオープンの食洗機との違いってどうでしょうか?
スライドオープンの食洗機との違いは
✅フロントオープン:大開口で鍋などもごっそり入れられる
✅大容量:大きさに余裕があり、パズル感覚で食器をセットしなくて良い
という点がメリットだと感じます。
一方で、ゼオライトテクノロジーで乾燥を促してくれはしますが、国内メーカーほどではないのでガラスや金属類以外は乾きが悪いというのはデメリットだと思います。
ガラスや鍋はくぼみがなければ熱で乾きますが、プラスチック系のものは乾きは悪いです。
3人家族で、稼働頻度はどのくらいですか?
1日1回です。
容量としてはもう少し入りそうですが、調理器具が足りなくなるので。
1日分の食器や調理機器を全て入れてもまだ余裕のある容量は、やはり海外製食洗機ならではの魅力です!
レンジフード
レンジフードは、LIXILのよごれんフード。
トーヨーキッチンでラインナップされているものは選ばなかったそう。
✅トーヨーキッチンのオリジナルレンジフード「UFO」は高額だった
✅安価なものは厨房っぽさがあり好きになれなかった
✅排気ダクトが円柱だったが、四角の方が良かった
✅情報が少なく、本当にお手入れが楽なのかリアルな口コミを探せなかった
という理由でトーヨーキッチンオリジナルのレンジフードは選びませんでした。
価格やデザインも大切ですが、情報が少なく不安になるというのもよくわかります。
長く使うものだからこそ、お手入れのしやすさは重要ですよね。
収納について
収納の取っ手はVFBハンドルというタイプ。
垂直で他にはないフォルムが特徴的です。
収納の使い勝手はどうですか?
収納は、最初はちょっと失敗したかなと思っていました。
収納内の仕切りが動かせないので、自由にレイアウト出来ません。
例えば、上段の引き出しはシンクやコンロの下なので高さがあまりなく、お玉がギリギリです。
入れるときに気をつけないと扉を閉めるときに引っかかってしまい、地味にストレス。
下段に入れれば問題ないですが、それだけ下段にするのも少し微妙に感じてしまいました。
今後色々と工夫しながら配置を変えて、うまく収納してみようと思っています。
更に、下段の引き出しも残念なポイントが。
公式では片面で65cm可能な奥行きの収納を推していますが、わが家はキッチン前後両面の引き出しにしました。
すると、当然のことながら片側の奥行きが32cmに。
奥行きが狭いことで取手のあるフライパンが置きにくく、公式の推している65㎝の奥行きの引き出しを採用していた方が良かったかもしれないと感じています。
こちらは、食洗機の端側ある幅の狭い引き出し。
食洗機外側には収納をつくらなければならない仕様です。
本来、このサイズの引き出しはコンロ側に欲しいですよね。
調味料などを入れるのに適したサイズだと思いますが、遠くにあるので勿体無いと感じています。
(しかも今は子供が遊ぶので何も入れられていません)
おすすめのオプションは?
おすすめのオプションを教えてください!
完全オーダーなので、高さを自由に変えられます。
ワークトップは高めに90㎝に設定して正解でした!
腰が辛くないです。
エアフローと呼ばれる床からキッチンの高さは約12.5㎝。
これは、ワークトップの高さに合わせて変わるようです。
夫婦で身長差があるので好みの高さは別れますが、シンク内で高さを調整できるので、その辺でもメリットがありました。
ちなみに一般的と言われている85cmだとエアフローも低くなるため、バランスが悪そうだと感じました。
高さを決める時には、調理するのがワークトップ上ではなくシンク内だということも加味した方が良いと思います。
素朴な疑問ですが、キッチンが浮遊したようになっていて水栓や排水などはどうなっているんですか?
水洗や電源周りは四角い箱状の仕切りで囲われて、見えないようになっています。
床から10㎝以上浮いていることで、キッチンの下もお掃除ロボットが走ることが出来る?!
これは凄いことですよね。
デザインの満足度は?
デザインの満足度を聞いたところ、
「120点!」
というお答え。
具体的に、どのようなポイントに満足しているか教えてください!
勇気を持ってこのキッチンを選んで正解でした。
正直こんなキラキラしたキッチンは合わないと思っていたので、最初は数少ないマット系の色を選んでいました。
でも現物を見ると、地味すぎて安っぽく見えてしまい、ちょっと違う気が…
そんな中、展示されていたメタルスモークを見て、これなら合うかも・・・と。
他にはない独特でスタイリッシュなデザインで、ずっと見ていられます。
馴染まないと思っていたキラキラのキッチンは、メタルスモークにしたことによってちょっとダークで落ち着いた輝きになり、本当にLDKの中に家具のようなインテリアとしてマッチしてくれました。
お手入れについて
お手入れについてはどうですか?
ショールームでステンレスは水垢が気になるという話をした際、「ステンレスは水で流すだけじゃなくて拭き上げるものですよ」と言われました。
毎日きれいにしたくなるキッチンだし、実際に毎日拭き上げています。
汚れがひどければ中性洗剤で磨くことになっていますが、汚れているのはほとんどシンク内とIHだけ。
シンク内はお風呂用のワイパー(スクイジー)で毎日水を落としています。
ワークトップは水、乾拭き程度です。
シンク内調理によって、ワークトップが本当に汚れません。
そのためシンクだけ掃除すれば良いと考えると、水垢を放置してしまい後々ウロコ取りが必要、ということになるよりも全然楽だと思います。
アイランド型に決めたことによって整理整頓を意識しないといけないと覚悟を決めていましたが、毎日拭き上げたらキレイを保てるので、習慣づきました。
拭き上げると必ずピカピカになってくれるので、やりがいがあります。
大型食洗機にほとんど洗い物を任せられるので、今まで余洗いをしていた時間でキッチン磨きができることもポイントだと思います。
「毎日拭き上げをする」と聞くと大変そうに聞こえます。
けれどやらなければならい場所は多くなく、やりがいを感じているとのこと。
頭が下がります
不満&後悔ポイントは?
不満に感じるポイントはありますか?
まずは、先ほども出た収納部分。
全体の収納量は多いと思いますが、基本は片側のみで調理をするので、反対側の引き出しはキッチンでよく使うものは入れにくいです。
片面だけの収納にして奥行きを広くした方がよかったかもしれません。
もう一つは、水栓ですね。
海外仕様なので節水機能がないところ。
節水機能のある国内メーカーも選べましたが、見た目を優先しました。
水の勢いが強く、当たりどころが悪いと飛び跳ねてしまいます。
シャワーモードがないので慣れないことも多く、最初は洋服を濡らしてしまうこともありました。
あとは、地味なデメリットは
✅コンセントのオプションがないところ(床のコンセントで代用していますが、ブレンダーなどを使うときは微妙に長さが足りなくなります)
✅パラレロシンクが、一番グレードの高いiNOでしか採用できないこと
✅カッティングボードが地味に高いこと
でしょうか。
けれどそれらを踏まえても、パラレロシンクとゼロ動線の恩恵がこれらのデメリットを打ち消してくれます。
気になるところはあっても、それらに勝るデザイン性と機能性。
トーヨーキッチンのiNOを選んで大満足のようです。
まとめ
トーヨーキッチン「iNO」の使用感をユーザーさんに聞いた結果、
- 一目ぼれで採用した「パラレロシンク」は使い慣れると調理が楽
- シンク内での調理は汚すことを気にせず豪快に出来る
- ゼロ動線水栓は鍋に水を入れるのが楽
- 見た目を優先した結果、選んだ水栓に節水機能がなく不便なことも
- ガゲナウIHの急速余熱機能はフライパンがすぐに温まり便利
- ガゲナウ食洗機は洗浄力の高さ、大容量で調理器具などを入れても余裕があることに満足度が高い
- トーヨーキッチンオリジナルのレンジフード「UFO」の口コミが少ない(お手入れのしやすさが気になる)
- 収納は両面にしない方が使いやすかったかもしれない
- 自由に高さを変えられる「エアフロー」がおすすめ
- 高さを決める時にはシンク内で調理することを考慮する方が良い
- 面材のメタルスモークはダークで落ち着いた輝き。インテリアとしてもマッチする
- ステンレスは毎日拭き上げが必要。
ただし、汚れるのはほとんどシンク内とIHなので苦にならない - コンセントのオプションがない
- 何よりも高いデザイン性とゼロ動線キッチンの機能性は、デメリットを打ち消すくらいの満足度
ということがわかりました!
トーヨーキッチンは、独創的なデザインや機能性で知れば知るほど魅力的なメーカー。
「ゼロ動線キッチン」という考え方に共感できる方や、人と違うキッチンにしたい方などはぜひ検討してみていただけたらと思います。
おまけ:その他のキッチンの口コミをまとめてご紹介
これまでにまとめた各メーカーのキッチンの口コミをまとめました!
- Panasonic:ラクシーナの口コミ
- Panasonic:Lクラスの口コミ
- タカラスタンダード:グランディア/オフェリアの口コミ
- トクラス:ベリー(コラージア)の口コミ
- LIXIL:リシェルSI/アレスタの口コミ
- クリナップ:ステディアの口コミ
- ウッドワン:スイージーの口コミ
- キッチンハウス:デュエの口コミ
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